「いちいち気にしてたら和泉君の彼女なんてつとまらないよ」

「ま、それもそうね。毎日しんどいわ」

苦笑している麻美に「でしょ?」と笑い返して、席を立った。


「じゃ、麻美。私そろそろ行くね?」

「はいはい、じゃまたね~」

ヒラヒラと手を振る麻美を残して、先にカフェテリアを出た。


「気にしてない」と自分に言い聞かせているけど、できるならなるべく耳に入れたくない。

あの子たちの会話は、きっとこう続く。

「彼女がいないなら、私が立候補しよう」と。