「モカ、今日はバイト遅くならない?」

「うん…たぶん。……ちゃんと早く帰る」

「遅くなったら連絡して」

「うん…」


バイトがある日は、和泉君は遅くならないかどうかを確認してくる。あの約束以来、私も純ちゃん家に長居しないように心がけていた。

さすがに和泉君を呼び出してまで送ってもらうのは悪いし…。まだ一人で帰った方が気が楽だ。



隣を歩く和泉君を見上げると、心なしかいつもより表情が硬い。やはり、私がバイトに行くのが気に入らないんだろうか…。

そんな私の視線に気付いた和泉君は、私を見下ろしながら聞いてきた。