「…じゃ、私はそろそろ…」

もう帰ろう…。

なんだか心苦しくて居たたまれない。それに、いつの間にかすっかり夜になっている。


「もうこんな時間!?モカ先生ごめんね!!」

「ううん、気にしないで。私も話し込んじゃったし」

勉強道具を片付けて部屋から出たら、ちょうど2階に上がってきたおばさんと鉢合わせになった。


「あら!?モカちゃんもう帰るの?」

「ええ、すみません。遅くまでお邪魔しちゃって」

「あらいいのよ!せっかくだから夕飯も食べてかない?」

「え!?でも…」

「そうだよモカ先生!食べてってよ!!」

どうしようかと考えていたら、おばさんが「ぜひぜひ!」とニコニコ笑顔で見つめてきた。


「うっ…。じゃあ、お言葉に甘えて…」

押しに負けて、結局、夕飯までご馳走してもらうことになった。