「何で純ちゃんが、い…黒崎君のこと知ってるの…?」

今年高等部に編入したから見たことないはずだよね!?

恐る恐る訊ねると、純ちゃんはあっけらかんと答えた。


「だって黒崎先輩超有名人だもん。中学のときから知ってるし、みんな知ってるよ」

「そ、そうなんだ…」

「うん。それに、一ツ橋学園の伝説の男だもん。超カッコいいって」

で、伝説!?

和泉君…あなたって人は…。
いつの間にか伝説になっちゃってるよ…。


私ってやっぱりとんでもない人と付き合っちゃってるんだろうか…。

遠い目になりながら今さら実感していると、純ちゃんがまたグイっと身を乗り出してきた。