「ほんと和泉君て女心が分かんないよね」

「しょーがねえだろ。第一、俺純ちゃん知らねえもん」

結局モカは散々悩んだ結果、シュシュを買った。純ちゃんはどうやら髪が長いらしい。

あまり高いものだと気を遣われるかも、とささやかなものにしたようだ。



「純ちゃん、喜んでくれるかなぁ〜」

プレゼントを見つめながら、モカはホクホク気分になっている。


ほんと、頭の中は「純ちゃん」だ。



……いい加減妬くぞ。

相手は見たこともない女子高生だが、だんだん悔しくなってきた。



こんな感じで、純ちゃんに侵食されていくのを実感しながら毎日が過ぎていった。