「あー!!モカちゃんだ!!」


後藤君が私を指差しながら大声で叫んだ。

ちょっとやめて欲しい…。そんな大声で…。


後藤君の声に、和泉君の視線もこちらに向いた。


「モカ!?」

驚きの表情を見せたあと、和泉君は足早に私のもとにやってきた。


「どうした?何かあったか?」

「ううん、ちょっと…。一緒にお昼ご飯を食べようと思って」


いつかのリベンジだと、お弁当も作ってきていた。今日はお兄ちゃんに邪魔されていない。


「そっか」と和泉君は優しく笑い、私の手を引いて歩き始めた。