そして翌日。

和泉君にバイトのことを報告するため、早めに大学に向かった。



午前の講義が終わった頃和泉君をつかまえようと経済学部棟まで行くと、ちょうど和泉君と後藤君が前から歩いてくるのが見えた。

お互い何やら言い合いしながら、こちらに向かってきている。2人の様子を見ると、後藤君は和泉君の入部をまだ諦めていないようだ。


和泉君は私の存在に全く気付いていない。

後藤君を振り払うのに必死みたい。


だんだんとこちらに近付いたところで、「和泉君!」と声をかけようとしたら、先に後藤君と目が合ってしまった。