「あ…ここだ…」

目的の家を無事発見し、ピンポーンとインターホンを押した。

『はい、どちら様?』

「あ、今日からお世話になります…浅野です…」

『まぁまぁ!ちょっと待ってて!』


そして、玄関のドアがガチャッと開き、中からエプロン姿の優しそうなおばさんが出てきた。

たぶんこの家のお母さんだ。


「突然お邪魔しちゃってごめんなさいね~!あなたも高等部から編入したって聞いて、是非お願いしたくて!」

「い、いえ!こちらこそ、お役に立てるかどうか分かりませんが…よろしくお願いします」

ペコリとお辞儀をすると、スリッパを出され「さぁどうぞ」と中に促がされた。