「よかったわ~。じゃ、モカ。行って来て」

「……へ?」

「だから!家庭教師よ!今日からよ?」

「今日から!?ウソでしょ!?」

そんなに急なことだったの!?何の準備もしてないのに!?

「いきなりムリだよ!!第一、何を教えればいいの!?数学とか、絶対ムリだよ!?」

「分かってるわよ~。英語と国語だから!」

ね?ニコリと微笑まれるけど、目がこわい…。これは、行かなきゃヤバそうだ…。


「うぅ…。分かったよ…。その代わり、苦情言われても知らないからね…」

「大丈夫よ!初日だし、挨拶程度で済むんじゃない?」


そう簡単に言ってのけるお母さんに恨めしい視線を向けながら家を出た。