真剣な眼差しで
言い切ったアイツ。



あたしは言葉を失うほど
驚いていた。


もちろん、
誰もあたしのことだなんて
分かっていないに決まっている。




「笑わせるなよ。
そんな立派なこと言って本当は
美和ちゃん狙いなんだろ?」


「はぁ?」


「アイツ、
美和ちゃんと一番仲いいもんな。
近づくのも楽だったし」




あたしは智也の言葉が
グサッと刺さった。



智也はそんなこと
考えてたんだ。




そういえば、准一も
美和のストーカーだったっけ?


やっぱりアイツも同じ……




「バカじゃねぇの?」


「は?」


「くだらねぇって言ってんの。
俺にとってアイツが一番だから」


「いい加減に本性出せよ!!!」


「ソイツを愛してっから」




バシンッ!!



あたしの大きな平手打ちが
智也に飛んでいく。



その音が学校中に響き渡った。