「ちょっと、
希帆助けに行かなくていいの?」
「はぁ。
本当に世話がかかるなぁ」
あたしは仕方なく
その群れの中を通り抜けていき、
美和の傍まで近づいた。
「希帆ちゃぁん!!」
すでに
もう泣きそうな顔になっていた。
目の下に涙を
たくさん貯めていた。
きっとこういうところが
モテる要素に決まっている。
もっとすごいのは
この子はぶりっこじゃなくて
完全な天然だってところだ。
「あんたは泣かないの!!
ほら、あんた達はどっか行く!!
邪魔なんだよ!!!」
あたしは男どもを
簡単に蹴散らせた。
周りからはいつも通り
「姉御〜〜」と
呼び続けられていた。
あたしって、なんだよ?
そして美和を
保健室に連れて行った。