「准一…」
2人は言い争いどころか
ボコボコのケンカになっていた。
「なんで
アイツを振ったんだよ!!」
「振った以前にあんなヤツなんか
好きじゃねぇよ。オラッ!!」
右ストレートが
准一の脇腹を直撃した。
「ウッ!!アイツを
泣かせてんじゃねぇよ!!」
ドカッ
「あんな無神経女が
そんなことで泣くかよ」
「泣くんだよ!!」
准一の怒鳴り声が
全体に響き渡った。
「友達や他人にはいつも真剣で、
胸張って、堂々としてるけどな。
本当は自分のことになると
人一倍弱くて、臆病で、
頼りない女なんだよ!!」
真剣に言い切ったアイツ。
あたしはその場で
泣く事しかできなかった。
本当はこんな皆の前には
出たくないはずなのに。
周囲から応援の声が
あちこちで響き渡った。
「じゃあ、何?
あの女のことが好きなわけ?」
「愛してるよ」