フォークを刺せた事が嬉しかったのか、顔を上げてニッコリ笑ってくれる。





ハンバーグもオムライスも食べれた。





けど、スパゲッティだけは食べれなくて……





「紗衣、ままがしようか?」


「やっ!できゆのっ。」





まだ以前通りに完璧動くわけじゃなくて、何度やっても口にもっていく事が出来ない。





「ゔー……できゆのぉ……さえ、できゆ……。」





何度失敗しても出来ると自分に言い聞かせる姿が痛々しい。





「ゔー、やっ!」


「紗衣っ!」


「ゔぁぁぁぁあ。」





等々フォークを投げ捨てた紗衣は椅子を降りようとした時に足が絡まってずり落ちてしまった。





慌てて紗衣を抱き起こし、ギュッと抱き締める。





今まで出来た事が突然出来なくなって、もどかしくて、動かない体に苛々して。





「泣かなくていいよ。ままと練習しようね。」