優しく抱き締めないでよ……余計涙腺が緩むじゃない。





「あのさ、この前から考えてた事なんだけど…聞いてくれる?」


「な、に……?」


「章菜と紗衣ちゃんが退院したら一緒に住まないか?」





突然の事に驚いて、涙が引っ込んでしまった。





「会いに行く時間が勿体ない。俺の側にいて欲しいんだ。朝は一緒に家を出て、帰りはおかえりって出迎えて欲しいんだ。」





そんなに思ってくれてたなんて……嬉しすぎるよ。





「俺にもさ、紗衣ちゃんを育てさせてよ。可愛いから心配なんだよ。」





私が気にしないようにそう言ってくれてるんでしょ?





「それに、“ぱぱ”に昇格出来たし、家族は一緒に住まないとな。…まま?」


「いいの?」


「いいの!章菜と紗衣ちゃんがいいの。」





腰に回された手に自分の手を重ねれば指を絡ませてくれる。