退院したらすぐに職場復帰しないと生活にも困ってしまう。





「章菜、焦りすぎじゃないか?」


「そんな事ないよ?」


「急いでリハビリを進めなくていいんじゃないか?ゆっくりでいいだろ。」


「それじゃダメなの。ずっと仕事休んでるんだよ?会社の人に迷惑かけてるし、退院しても1日中仕事出来るわけじゃないでしょ?私も紗衣も不調だったら病院に行かなくちゃならない…。」


「体の事を考えた方がいい。章菜が言ってる事は頭で考えてる事だろ?焦ってもいい事はない。」





わかってる……わかってるけど。




入院してからか朔夜を好きになったからか、涙腺が弱まった。





もうほんのちょっとの事で目が潤んでくる。





泣き顔を見られたくなくて、思いっきり顔を逸らす。





でも、朔夜は意地悪な人。





「言い過ぎた、ごめん。章菜の気持ちも考えないでキツイ事言い過ぎた。」


「謝らないで……朔夜の言った事はわかってるの。」