｢紗衣〜、ちょっと寝よう?｣


｢やー!｣


｢お家帰れないよ?｣


｢うﾞー、ねんねないもーん…。｣

｢じゃあ、ままと寝よう?｣


｢うﾞー、ぱぱぁー。｣





アニメを見て大人しくしてるのはいいんだよ?





でも、目が疲れちゃうし寝てたほうがいいと思うから寝ようって言ったのに……“ぱぱぁ”って、朔夜に助けを求めてるし。





｢紗〜衣〜。｣


｢ぱぱぁ、ままめっしゅるの。｣





怒る事が出来ない変わりに盛大なため息が漏れる。





朔夜とじゃれてる紗衣を横目に、私はベッドで足をマッサージする。





足首をゆっくり回してみたり、脹ら脛を揉んでみたりと。





早く歩けるようにならないと紗衣の面倒もみれないし、朔夜に頼りっぱなしになるし……退院した時にも困る。





今までの貯金はあるけど、この病室は有名人専用の特別室で設備も一般病室より整ってるし、かなりお金がかかると思う。