「どうした?」


「紗衣が心配で……。」


「紗衣ちゃん?」


「来週から紗衣もリハビリするみたいなの。泣いちゃわないか心配で…。」


「章菜が側に付いてれば泣かないんじゃないか?」


「うん……。」


「泣くかもしれないけど、章菜に似て強い子だから大丈夫だよ。俺もリハビリには付き合うから。」




朔夜の言葉は心強くて、心配なんか消し飛んでいく。





病室に戻ると、子供アニメのDVDを見ていた紗衣が振り向いた。





「ままぁ、ぱぱぁ〜。」





愛らしい笑顔を浮かべる紗衣。





「おはよう、紗衣ちゃん。」


「はよー。」





今では、朔夜を違和感なく“ぱぱ”と呼び始めた。





朔夜もそれが嬉しいらしく、抱き上げたり頭を撫でたり頬擦りしたりと可愛がってくれてる。





「何見てたの?」


「アンパンマン!」





朔夜と楽しそうに会話をする姿が微笑ましい。