『はぁはぁ…』


呼吸は、次第に乱れていく。
でも俺は走った。


駅に着くと、一気に汗が溢れてくる。


汗を拭きながら、俺はマナを探す。


『まだいないか…』


マナの姿はなかった。




すると、誰かが俺の肩を叩く。


振り返る俺。

汗が流れる俺の額。


肩を叩いた人は─…マナだった。



『マ…ナ…』


『光輝…あのね…』


俺はマナの言葉を聞かず、マナを抱きしめた。


マナの感触を、久しぶりに体で感じる。


マナも俺を抱きかえす。


しばらく俺達は抱き合ったままだった。



『光輝…』


『マナごめんね…俺…変な事言って…』



『ううん…私も悪かったから…』



『マナ…俺見ちゃったんだ…昨日…マナが仲良く知らないやつと歩いてるの…』


『えっ…』