携帯は何回も何回も、同じ曲が流れて、
何度も何度も、同じ色のランプが光っていた。



ドクン…


俺は固まった。
ただ曲が流れる携帯の通話ボタンを押す事ができなかった。


しばらくすると、電話は切れて、また鳴る。


俺は携帯を手に持ち、
やっとの思いで通話ボタンを押した。



『………』


『光輝?』


電話の中から聞こえるマナの声。


『うっうん』


『どうしたの?光輝、変じゃない?』



携帯を握りしめる手に汗がかいてくる。
マナの言葉が俺に聞こえる度、俺は緊張していく。


『そう?普通だよ』


『ふ~ん、今学校終わったの!ホント疲れた~』



嘘だろ?


俺の頭の中に余切る、マナを信じてない言葉。


俺はつい言ってしまった。
マナとの距離を自分で遠くした言葉。


『マナ…嘘つかなくていいよ』