『光輝…まだ浮気って決まった訳じゃねぇから、聞いてみろ…』



『分かった…悪いな、タクミ』



『何かあったらいつでも言えよ?』



『さんきゅ…じゃな』


─プツ

今までタクミの声が聞こえていた携帯は、電源を押してしまえば、ただのガラクタにしか見えない。


ずっとタクミに話を聞いて欲しかった。


一人になると…思い出してしまう。



俺は、自分のカバンの中から、今日買った写真集を取り出す。


少しは気を紛らす事が出来るんじゃないかって。


ビニールを綺麗に剥がしていき、一ページ目を開く。


『すげぇ』


一ページ目に載っていた写真は、1面が夕日で溢れていた。


左下には、撮影場所が書かれていた。


『近くじゃん』


その撮影場所は学校の近くだった。


こんな綺麗な場所が、学校の近くにあるなんて…


やっぱり鈴木優さんはすごい…


俺は感動に浸っていた。

すると突然、俺の隣にあった携帯がまた音を出した。


着信は…マナからだった。