俺には出来ない。

そんな勇気ない─…


マナに言ったら、
返って来る言葉はあれしかないだろ?


俺は嫌だから、
嫌だから、今見た映像を見なかった事にした。



今日の空は、不気味なくらい紅くて、気持の悪い空だった。


そんな空に浮かぶ白い月。


俺を見て笑ってるのかよ…
俺の事…嫌いだもんな。



──…自宅へと到着した。

いつもならもっと早く歩けるのに、歩けなかった。


考える事が沢山あって、
あの映像がグルグルと俺を囲む。


消そうとしても無理で…
見なかった事にしても…
思い出してしまう。



俺はタクミにメールをした。


タクミなら…話を聞いてくれそうで。

俺の中で何かプツンと切れた…。


我慢しても限界がくる。


もう…限界だった。