タクミの家は何回来ても慣れない。


大き過ぎなんだよ。


門から玄関までの距離が無駄に長い。



やっとの思いで、玄関につく。


俺の疲れ度、上昇中。


─ピーンポーン


敷地は普通じゃないのに、意外とベルは普通。



なんだよ、このギャップは。って毎回鳴らす度思う。


『光輝か─?入れ入れ』


『分かった』



俺はタクミに言われた通り、勝手に玄関を開け、中に入っていく。



そして、大きな城みたいな家から、タクミの部屋を探し、歩いていく。


もうタクミの部屋を見つけるのは簡単だ。


だって、タクミの部屋の前に、《タクミ》というプレートがあるから。


分かりやすいから。



『タクミ~入るぞ』


『おう!どうぞ~』


ドアを少しずつ開ける。
中から徐々にタクミと疾風の声が聞こえ出す。


二人の声を聞いた俺は、
何故か安心するんだ。