今の俺…
意味分かんねぇ。


ただタクミと鈴木百合が話してるだけなのに、
ずっと見てしまう。


亮と話している時も気になって仕方がない。



どうしたんだ?俺……


『光輝?光輝──!!』



『なっ何?亮』


亮は俺の名前を何回も呼んでいたらしい。
でも俺は気付かなかった。


俺、やばいよな?



『光輝は、彼女いるよな?指輪してるもんな?』



『あぁ…うん。いるよ』


一瞬、マナの事を忘れていた。


俺はマナが好きなのに、
自分でもよく分からない。

鈴木百合を見るだけで、
変な錯覚に陥る。


鈴木百合は何者?




『やっぱなぁ!光輝かっこいいもんな!』



『どこが?物好きなだけだよ』



『だってさっきから、視線感じるよ?見てみ?』


俺は亮の言う通り、
周りを見渡した。


周りには、俺達を見ている数人の女子がいた。


これは間違いなく、
俺ではなく亮だろ?


亮は気付いてないのかよ。