周りには知らない人ばかり。


俺はぽつんと一人立っていた。


どこへ行けばいいのかも、分からない。



ここどこだよ?



そう、俺は迷っていた。


すると後ろから声がする。


『こ──う──き!』




誰だよ?
俺を大声で呼ぶやつは。


まぁ、あいつしかいないけど?



『タクミかよ。てかタクミって清秀受かったんだ?』


『お前ひどいな!受かったよ!ギリギリね!』



『またお前と同じとか嫌だなぁ~。どこに行けばいいんだよ?広くて分かんねぇ!』



『俺も分かんねぇもん!
疾風ーどこ行けばいいん?』



疾風?
誰だよ、それ。



『お前、入学式の説明のしおり読んだかよ?』


タクミの後ろから、入学式のしおりを読みながら歩いてくる人がいた。


どっかで見たことある…



『タクミ!あれ誰?』