『そろそろ電車来るから行くね?指輪ありがとう…
お返しね?』


するとマナは少し背伸びをし、俺の唇を奪った。



マナからキスをするのは初めてで、またときめいた。


『マナ…
不意打ちかよ…』



『えへ!じゃあね、光輝!』



『じゃあな!』



マナがこんなんだったら、俺、心臓何個あっても足らねぇよ?


マナは俺をドキドキさせるのが得意なだけかな?


駅の中へと消えていくマナに、戻ってきてと願う俺。


その願いは儚く散り、
俺は清秀高校へと目指した。


行きたくもない入学式に。

もし隣にマナが居てくれれば、毎日行くのに。


マナがいないなんて…
どうすればいい?



俺はマナとお揃いの指輪を見る。


浮かんでくるマナの笑顔。


これで許してやるよ。




桜散る中、俺は新たな生活へ進む──…