疾風も一応手紙をもらっていたが、彼女がいると言って断っていた。


亮は三枚。
相変わらずモテモテ。
亮は営業スマイルをして、心好くもらっていた。


『光輝先輩…』


俺は後ろを振り向く。

そこには顔を真っ赤に染めた女の子が立っていた。


『ん?』


『先輩は…彼女いるんですか?』


『いない…かな』


俺は彼女に微笑みを返した。

『じゃあ…あのっ…』


『でも…俺には愛している人がいるから…』


こう言うと、彼女は残念そうな顔をして、ペコッと会釈をし、一緒にいた女の子達と帰っていった。



傷付くのは俺だけでいい。

俺だけで十分だ。


『仲良くしてくださいっだって!萌って言うんだ。可愛い…』


タクミはさっきもらった手紙を早速読んでいた。

滅多に赤く染めない頬をして。


『タクミ!お前もしかして!?』


『うるせぇよ…』


世界は回っている。


一日に一回。


桜の花びらが一日に数枚落ちていく。



百合に早く会いたい…