『今から?』


『嘘だよ、こんな時間に無理じゃん…』


『…私も会いたかったなぁ…また明日学校で会えるしね!』



『そうだね…俺、風呂入ってくるよ。またメールするわ』



月が雲の中へと隠れる。


月明かりに照らされていた街が、だんだんと暗くなっていく。


『うん、分かった!待ってるね…』


『じゃあね』


携帯を耳から離していき、電源ボタンを押した。


もう…百合の声は聞こえない。


俺はクローゼットの中から、スエットと下着を持ち、お風呂場へと行った。


蛇口をひねるとシャワーから熱いお湯が出てくる。


俺は温度を調節し、
疲れた体を洗った。


たちまち、湯気や、泡で埋めつくされる、お風呂場。

『ぐずっ……風邪引いたかな?』


風邪の察知を感じながら、俺は風呂を出た。