数分後─…


百合からの返事が来た。


《心配しちゃったじゃん!今はテレビ見てるよ!》



百合が今何してるかとか、百合が今何を考えているのか、考えると面白くなってくる。


百合を好きだなって思う。

俺は急に百合の声が聞きたくなり、百合に電話をした。


─プルル─プルル─


『はい!光輝─?』


二回目のコールで百合の声が聞こえた。


『ははっ、お前出るの早いって!』


思わず吹き出してしまった。


『そろそろ光輝から電話がかかってくるかなぁって思ったの!』



それって以心伝心?


すごいな、俺達。


『百合の声が聞きたくてね。本当は会いたいんだけどさ…風邪大丈夫?』


『もうすっかり治ったよ!ずっと寝てたからかな?
今日学校どうだった?楽しかった?』


ドクン──……


蘇る─…



《稲葉暁》


百合の事を狙っている先輩─…


たくさんの星─…


でかい月─…


涙─…


どうか、どうか、

百合が俺から離れませんように─………