『しょがねぇな!』


タクミは笑いながら、
俺がいるシーソーの所まで来てくれた。


『一回だけだからな!恥ずかしいから!』


『おっけ!行くぞ!』


宙に浮く俺。

次はタクミが宙に浮く。


永遠とこの繰り返し。


それが楽しいんだ。


久しぶりにシーソーに乗ったから、はしゃいだ。


タクミと俺は、
笑いながら、シーソーで遊んだ。


上に行く度、空に近付く。

下を見ると、いつもクールなタクミが、子供に戻ったような笑顔を向けていた。

小さい頃、よくタクミとシーソーを楽しんだ。


でも大人になるにつれ、
シーソーで遊ばなくなった。


何でかな?


ずっと友達のままなのに、
何で子供がする遊びをしなくなったのだろうか?


きっとそれは、憧れから生まれたものだろう。

子供の頃、早く大人になりたいと思っていたからだろう。