俺とタクミは暫く、
このでけぇ夜空を見上げていた。


次第に流れた涙が乾いていく──……



『そろそろ帰るか?』


タクミの鼻が少しずつ赤くなりつつある。


ごめんな?


俺のせいでこんな寒い中、何時間もいさせちゃってさ。


『おう、わりぃな…タクミ』


『あ?別にい─よ。
ほら、早く帰るぞ!』


タクミが勢いよく立ち上がる。


そんなタクミを見た俺は、
何故かときめいてしまった。

別に変な意味じゃねぇよ?

いつもよりかっこよさが増してたんだ。


『タクミ!シーソーやらね?』


俺はシーソーを指差しながら、タクミに聞いた。


途端、タクミの顔が歪んだ。


『は?この歳でシーソーとか有り得ねぇだろ!』


そういいながら、いつもより増した笑顔で笑ってくれた。


『久しぶりにさ!小さい頃よくやったじゃねぇかよ!』


俺はシーソーの方へ駆けた。