『え…』


『何驚いた顔してんだよ!』


タクミが俺の方に顔を向けて笑った。

俺は、ただ無表情のまま。


『だから、百合はお前と付き合えなくても、
お前が百合を好きじゃなくても、
百合はお前の事ずっと好きでい続けるって事だよ!
そんな奴好きになれねぇだろ!分かったか?』


『…タクミ…』


何でタクミはいつも俺を励ましてくれるのだろう?


俺はタクミに何もしてあげれない。


無力で臆病な人間だから。

タクミが言った言葉全てが、弱くなった俺の心に染み込み、勇気に変わる。


弱くなった心は、
だんだんと強い心となる。

タクミの魔法─…



『俺…不安なんだよ…
いつか…いつか…百合が居なくなるんじゃねぇかって…百合が離れていくんじゃねぇかって…』



俺はとっさに下を向く。

込みあげてくるものを感じたから。


でもタクミは、俺の行動に感ずいたみたいだ。