はぁ─っと息を吐けば、
息が少しだけ白に変わる。

もうそんな時期か─…


百合と付き合って今日で何日目だ?


それすらわからない。


この生活が当たり前になってきているから、分からなくなってしまうのかな─…


『で?何だよ?』


空いていたベンチに座る、俺とタクミ─…


タクミは、公園へ来る途中に自動販売機で買ったホットコーヒーを開けながら聞いてきた。


『…なぁ、もしさ…もし…俺と百合が付き合ってなかったら、タクミどうしてた?』


『は?どういう事だよ?』


『だから…百合の事狙ってた?』


『あ─…』


俺は持っていたホットココアを強く握り絞め、
タクミの答えを待った。


『狙ってねぇな』


タクミから返ってきた答えは、意外なものだった。


『何で?百合はお前のタイプそのものじゃん』


『あぁ、確かにな。
もし百合と光輝が付き合ってなかったとしても、
百合はお前の事をずっと好きでいると思うけど?』