俺の中の鳥籠に、
百合は飼われていて、
フタを開けてしまえば、
百合はすぐ逃げ出すだろうか?


それが本当の自由なのか?

今は、鍵がかけてあって、百合はぐっすりと眠っている。


俺のモノという証拠。


もし鍵が突然壊れ、
フタが開いたら─…



考えたくない。


俺は首を振る。

やめよう…考えるのはやめよう。


信じよう、百合を─…



───…


『タクミ、今日一緒に帰れるか?』


放課後、タクミと一緒に帰ろうと思い、隣のクラスまでタクミを呼びに行った。


『何で?どうかしたか?』


『ああ…ちょっとな…』


タクミの顔が見れなかった。


タクミの顔を見ると安心して、緩んでしまう。


溜めていたモノが、
一気に流れてしまうから─…


『帰るぞ?どっかで話すか?』


『おお…』


俺達は近くの公園で話す事にした。