秋風がヒューと鳴りながら吹く。

茶色くなった木の葉が、
あちらこちらに飛んでいく。


俺はそんな中を歩いて行った。


そして、亮の肩を叩いき、亮に冷静になるように目で訴えた。


亮は俺の気持ちを分かってくれたみたいだ。


『光輝、いいのかよ?
普通キレるだろ?』


『あぁそうだな。キレてるな、確実に。
でも今はキレるのを通り越して呆れたよ』


俺は小さく笑った。


『ひとつ聞いていいか?
稲葉ってやつ、何年何組だ?あと名前も教えてくれ』

そいつは、下を向きながら答えた。


『二年六組の稲葉暁《いなば あきら》だ』


『ありがとうな、亮行くぞ』


俺は亮の腕を持ち、
校舎へと去っていった。


そして階段を登り、
屋上へと目指した。