『どういう事だよ?お前が言ってた事は本当かよ?』

亮が鋭い目つきで、相手を見る。


初めて見る亮がキレた瞬間。

とても怖い。


相手のやつは、ガタガタと肩を震わせていた。


そして、俺は聞いてしまったんだ。


『本当だ、嘘じゃな…い。稲葉先輩は、鈴木さんを狙っている』


『何でだよ?鈴木には光輝がいるじゃねぇか!
お前だって知ってるだろ?』


遠くからでも、亮の声は聞こえる。


サッカーをやっていた数人の生徒達が、サッカーをやめ、亮達の方を見ていた。


『あぁ知ってるよ。稲葉先輩も知ってるはずだ。
俺はここまでしか知らねぇよ。あとは稲葉先輩に聞けよな』


『誰だよ!稲葉って!!』

俺は立ち上がり、
亮達の方へと歩いて行った。