そんな事を考えているうちに、一時間目の授業が始まった。


前にいた亮が俺の頭をポンッと軽く叩き、自分の席へと戻って行った。


一時間目の授業は俺が大嫌いな日本史。


仕方なく、ノートと教科書を出し、先生が言ったところにアンダーラインを入れ、真面目に授業を聞いた。

でもすぐ集中力は切れてしまう。


気が付けば、百合の席を眺めていた。


そして、溜め息をつく。


『はぁ~…』


今百合は何をしているだろうか?


熱でうなされているかな。

昨日、百合に会ったばかりなのに、今日も会いたいと思ってしまう。


いや、毎日会いたい。

残された年月。

ずっと君に会いたい。


次第に、俺の瞼が閉じていく。



──………

『こ…き!おい!光輝!』

『何だよ?』


ゆっくり体を起こすと、
目の前にはジャージ姿の亮がいた。


『次体育だぞ!光輝爆睡だからびっくりした!』


『あっごめん…ごめん』


俺は急いで着替え、
グラウンドへと向かった。