『あの場所は、僕とその人の秘密の場所なんだ。
あの場所から見える大きな星…。あれはね、その人の願いなんだよ』


優さんの言葉を聞いて、
俺は何かを思い出す。


俺も見た事のある綺麗な星は、優さんに夢を与えた人の星だったんだ─…



『俺も…その星みた事あります。あれは…その人の願いなんですか…?』



『その人が昔…教えてくれたんだ。僕の隣で、一緒に夜空を見ながら。
《流れ星って、誰かの願いが叶う頃に流れるんだ》って…その人の夢は…叶わないまま…まだ夜空に残っている…あの一番綺麗な星は…その人の願いなんだ…』



『その人って…優さんの…特別な人なんですか?』



優さんは、笑顔のまま、
辛かったはずの過去の話を俺に話してくれた。


優さんは百合と同じで、

強い人だ─…


百合の強さは、親譲りなんだね。