優さんの笑顔は、
百合の笑顔と似ていて、
でも何かが違う─…


見ているこっちまで優しくなれる気がする。


不思議な笑顔─…



『百合は…目を醒ましますか?』



『もしかしたら…時間かかるかもしれない。
でもきっと目を醒ますよ。あの子強いから』


ユラユラと揺れるカーテンの隙間から、夏の心地よい風と、熱い太陽が見える。

余計に眠っている百合を綺麗にする。



『俺…百合に好きだって言いたいんです…百合に会って…気持ちを伝えたいんです…』



『光輝君は…百合を愛している?』



『はい…愛してます』


この時の自分が一番素直だったかもしれない。


優さんの問いに、すぐ答えた。

それは好きより遥かに重くて、


素敵な言葉。



《愛してます》