教室に戻る俺。


教室には百合の姿が見えた。


もうみんな帰ってるのに、何でまだ箒持ってんだよ?

そんな百合の姿に、俺はクスッと笑った。


百合は静かな教室で、
大きな独り言を溢した。



『修君…ホントに来てくれるかな…』



その独り言に反応をする俺。


『…何だよ。修が好きになった?』


悲しさより、怒りが混み上げてくる。


この感情を必死に止めようとしても、うまくいかない。


『光輝…』



『好きになった?』


俺は強い眼差しで百合を見つめた。


百合は若干戸惑い気味で、箒を強く握り締めた。



『…何で?何でそんな事聞くの?光輝には関係ないじゃん』



関係あるんだ。

俺はお前が─…



でも口から出た言葉は正反対の言葉。


『知らねぇ。ただ気になるだけ!』