『光輝…何でいるの?』


いや、そのセリフ、俺が言うべきセリフだろ?



『百合こそ何でいんの?』


『言ったじゃん…ここは私の大好きな場所だって』



『俺も同じ理由だよ』


『…座っていい?』



二人掛けの小さなベンチに二人の肩が並ぶ。

俺は、自分の心臓の音が百合に聞かれないように、少し離れた。


二人に、会話がなくなった。



先に沈黙を破ったのは、百合だった。



『…こっ…光輝…何で今日学校に来なかったの?』



『あ…うん。行こうとしたけどやめた』



上手く言葉が出ない。

昔はそんな事なかったのに、今日はおかしい。


今日だけじゃない。


最近からおかしくなった。


『何で?』


『何でって…』



突然おかしくなったのは、百合のせいかな─…