「レ・・・レギュラー授業?」
「そうだ。」
「え?夏講終わっても?」
「あぁ。」
「マジで?これから数学担当・・・?」
「ま、よろしく。」

あれー?
無視しちゃいますかぁ???

「そんじゃあ・・・」

ペラペラと夏講のテキストをめくり始める先生。
しかも私に完全無視。
その完全無視されてる私は
まだ呆然と教卓の前に突っ立っていた。

「萩原、早く席に。」
「は、はい。」

私は我にかえって自分の席に着いた。

「なっちゃんなっちゃん!」
「何?」
「なっちゃんの好きな人って先生だよね?」

紗来は野木先生のほうを指さしていった。

「え!?何で分かるの!?」
「おもいっきり出てる。」
「うっそぉ!」
「私は嘘つかない。」
「どの辺!?どの辺に出てる!?」
「まず顔、赤くなってるし。」
「え・・・」

ずっと気がつかなかった。
え・・・!ってことわ・・・
ずっと顔赤くなったってこと!?
さ・・・最悪

「夏講テキストP13をあけて。」

先生がみんなに13ページも見せた後、
13ページの問1の方程式の問題を黒板に書き写していた。

「そりじゃあみんな、分かると思うけどこの問1を全部5分で解いてくれ。」

先生は一度私たちの方を振り返ると、
また黒板のほうをむいた。