ただひたすら・・・・ごめん の一言。




謝罪の一言。




温もりが消えてしまいそうな愛子の手をしっかりと握って、反応してくれるのを待った。





眠らずに、ずっと『もう一度、レンと呼んで欲しい』・・・その一心で。




「いつだっけな?・・・・お前が俺と大喧嘩して・・」



ほら、いつだっけ?



その問いかけに答える人はいない。



「1日、近所の川岸で寝てただろ・・?」



学校に行ってると思ってた愛子が夜になっても帰って来ず、父さんと一緒に俺は探し回った。




「俺・・・・あん時最低な事言ったんだよな」



‘お前の兄貴はウンザリだ’って――――・・・・。



やっと見つけたときには長い髪を無造作にひろげて川岸に寝転んでいる愛子を見つけた。



土や草の匂い。



朝からずっとこうしていたのかと思うと内心深く罪悪感が残った。



父さんに叱られ、愛子の顔をまともに見れなかった俺にとって



屈辱だった。