‘兄弟’。
・・・血は繋がってないけど。
始まりは、私のお母さんとレンのお父さんが再婚。私は・・・一目惚れだった。
『愛子?この人が新しいお父さんよ?』
りりしい顔をした大きな男の人が
『よろしくね。愛子ちゃん』
って、馴れ馴れしく私の名前を呼んだ。
お母さんは一瞬微笑んで、
どこからかひょっこり出てきた男の子を指して
『それから、この子が愛子のお兄ちゃんになるの』
まだお互い中学生、けどその存在は目から焼きついて離れないものだった。
『・・・錬です・・・。よ、よろしく』
ぶっきらぼうに言い放った、そのときのレンの表情は私をおかしくさせた。
ドキッ・・・・――――
『よろしくっ・・・!』
元気にあいさつしたのもその時だけだけだった。意識して毎日が欲との戦い。