レンが愛用している傘を持って、エプロンを器用に外して、ブーツをはいた。




ショートの髪はいじらなくても手グシで直ってくれる。




ガチャッ・・・・




ドアを開けると、さっきまでの不安は少し和らいでいた。




エレベーターのない不便なマンションだから、いちいち階段で上り下り。




っていうか、どこにいるんだっけ?聞いてないじゃん。




携帯を取り出してレンの番号を必死に押す。



最後、3の数字を押そうとした瞬間。・・・電話をかけなくて済んだ。だって向こうからやってきたから。