なるべく傷には触れないように。



そっと保護するみたいに。




「んンっ・・・ハアッ・・ア・・・・」




「傷・・・痛そうだな・・オイ」




「痛い・・・に決まっ・・てるじゃん・・ンっ・・・」



腫れた傷をそっといたわった。
病室に甘い空気が漂う。




今夜、俺達は禁忌を犯すんだ、また。




「・・レン・・もう一回・・・キス・・して?」



「ダメ。癖になるじゃん」



「でも~・・・」



「しょうがねぇな?一回だけだから」



これ以上にない笑顔を見せてくれた。
『うん!』だって。



怪我人とは思えない回復っぷり。