静かな病棟、廊下に低い親父の声がどんよりと響き渡っている。




「レン・・・――分かってくれ・・・」



「分かる気しねぇな。」



「・・・レンっ!!」




もう、愛子を振り回すのは止めてやってくれ。
そんなこと俺が許さない。




「――るせぇよっ!!!!親父はそんなもんだったのかよ!!・・・・‘娘’なんだろ・・・?」



「・・・レ・・・」



そんな簡単に捨ててしまえる感情ならいらない。
そんな親、いらない。



愛子は俺のものでいい。



独占するつもりはなかったけど、今・・・すっげぇ独占したくなった。



最低な兄貴だな。