-恭汰side-


秋本さんと会った日。

俺が施設を逃げ出してから大して日にちは経っていなかった。

電車に乗って、バスに乗って。

どこまででもいい。


俺は自由な場所を探していた。




とうとう移動で金を使い果たしてしまった頃。

周りを見れば全く見知らぬ町。

それだけで満足だった。


俺はここに来た。

どこだか知らないけど、自由になれる場所に。



だけど、俺は一体どうしたら・・・。



自由を得られた満足。

同時に沸き上がる不安。



そんなとき目の前に秋本さんがいた。