「紗々ちゃん……」

まだ困ったような顔をしている美羽。

『ほら!明日遊園地頑張りなよ!…ごめんあたし急いで帰んなきゃ!
…またね!』


最後にそう笑顔で言い切ると踵を返して走った…。

これ以上話したら…

顔に出てしまいそうだったから……。


「あ…紗々ちゃん!」

呼ばれた声にも気づかない振りをして、全力で走った…。

溢れてしまいそうな想いを心の中に閉じ込めて……。