鞄を掴み、出口に向かおうとした時、一瞬、美羽と目が合った。

だけどあたしは目をすぐそらして出口へ向かう。

茜「あれ？紗々!もう帰るの!？」

『うん。ごめん急いでるから先帰るね!』

早口に茜に言うと、教室を出た。


いつも一緒に帰ってる茜だけど、今日はそんな気分じゃない。


ましてや…美羽となんて無理。


さっき…一瞬だったけど、美羽の表情は悲しいような…なんとも言えない顔をしてて…。

あぁ…きっとあたしが上矢くんを好きな事を気付いてると思った。