少し微笑んだ健人に比べて
私は笑顔が作れなかった。
あまりにも、
いつもの健人と違っていて
もの凄い距離を感じた。
するとー…
「キャーーーーーッ!」
女子の以上な程の歓声が聞こえてきた。
びっくりして前を見るとー…
あまりに綺麗すぎて
息を忘れてしまった。
パーマのかかった明るめの茶色の髪。
クリっとした目に鼻筋の通った高い鼻
薄い唇
高くすっきりした体系
なにもかもが完璧だった。
”かっこいい”
というより
”きれい”
の方が合っているかもしれない。
女子のざわめきは、
転校生の自己紹介からおさまった。
「柴内雅人です。
よろしく。」
顔とはまったく違う、
無愛想で無口。
人を寄せ付けないオーラをただおわせていた。
それでも女子は興奮がおさえきれない。
『かっこいい~』
そんな声が飛びかう中、
先生が趣味は無いのかと聞いた。
「趣味は…絵画ですかね」
「絵画かっ!
そういえばうちのクラスには良い才能をもった作家がいるぞ
おい!富岡」
「あ…はい」
「あいつが富岡だ
美術部なんだが、おれも顧問なんだ。
どうだ、放課後来ないか?」
「あ…じゃあぜひ」
まったく表情を変えない柴内君を見ていると
バチッー…!
ー…目が合ったー…